大企業を中心としたインボイス制度対策状況を調査
Peppolを用いた商取引に「対応しない予定」が倍増、 Peppol導入の目的・理由1位は「請求書等の規格の違いによるミスを減らすため
ウイングアーク1st株式会社
ウイングアーク1st株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員CEO:田中 潤、以下、ウイングアーク1stst)は、100億円以上の売上の企業に所属する請求書関連業務に携わる会社員513名を対象に、インボイス制度に向けた企業間取引の電子化に関する対策調査を実施しました。
■調査サマリー
・Peppol(ペポル)を用いた商取引、23.4%が「対応予定」。「対応しない予定である」は前回調査(※)から2倍以上増加。
・Peppol導入の目的・理由1位は「請求書等の規格の違いによるミスを減らすため」
・Peppol導入による請求業務の展望、約4割が「効率化する」
(※)2022年12月16日発表:https://corp.wingarc.com/public/202212/news2496.html
■調査結果
1.インボイス制度への対応状況、「対応済み」が40.2%、「具体的に動いている」が42.5%
「Q1.インボイス制度への対応状況を教えてください。」(n=513)と質問したところ、「すでに対応済み」が40.2%、「対応に向けて、すでに具体的に動いている」が42.5%という回答となりました。
2.Peppol(ペポル)を用いた商取引、23.4%が「対応予定」。「対応しない予定である」は前回調査から2倍以上増加。
「Q2.Peppol(ペポル)を用いた商取引に対応する予定ですか。」(n=513)と質問したところ、「対応する予定である」が23.4%となった一方、「対応しない予定である」が16.8%という回答となり前回調査時の7.8%から2倍以上増加しています。
3.Peppolの利用方法、6割以上が「配信・受信の両方」
Q2で「対応する予定である」と回答した方に、「Q3.配信・受信のどちらで検討していますか。」(n=120)と質問したところ、「配信側」が25.0%、「配信・受信の両方」が61.7%という回答となりました。
4.Peppol導入の目的・理由1位は「請求書等の規格の違いによるミスを減らすため」
Q2で「対応する予定である」と回答した方に、「Q4.Peppol(ペポル)の導入の目的・理由を教えてください。(複数回答)」(n=120)と質問したところ、「請求書等の規格の違いによるミスを減らすため」が68.3%、「グローバルな取引にも対応できるため」が64.2%、「中小企業や大企業が幅広く低コストで利用できるため」が37.5%という回答となりました。
※「グローバルな取引でも対応できるため」という回答については、現時点ではJPPINTは国内仕様のため、海外との取引にそのまま使えませんが、将来的には可能になっていくことを期待しての回答と推測。
5.対応予定の企業の課題、「コスト」や「社内の理解を得ること」など
Q2で「対応する予定である」と回答した方に、「Q5.Peppol(ペポル)の導入に際し、課題に感じていることを教えてください。(自由回答)」(n=120)と質問したところ、「コスト」や「社内の理解を得ること」など57の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・コスト。
・社内の理解を得ること。
・情報漏洩が心配。
・導入時がスムーズかどうか。
・法律的な問題に対処する。
・使いこなせるか。
・社内システムが大幅に変わることへの対応。
6.対応しない企業・検討中の企業の懸念点、「コストパフォーマンス」や「慣れるまでに時間がかかる」など
Q2で「対応しない予定である」「検討中」と回答した方に、「Q6.Peppol(ペポル)の導入に際し、懸念に感じていることを教えてください。(自由回答)」(n=162)と質問したところ、「コストパフォーマンス」や「慣れるまでに時間がかかる」など52の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・社内の認識統一。
・教育。
・慣れるまでに時間がかかる。
・社内受け入れ環境の整備。
・コストパフォーマンス。
・安全性。
・業務に支障が出ないようスムーズな移行が行えるかどうか。
7. Peppolによる請求業務の展望、約4割が「請求業務が効率化する」
「Q7.2023年10月から、貴社の企業間で取引される請求書の配信・受信手段にPeppol形式が新たな選択肢として追加されますが、これにより請求業務はどのようになっていると思いますか。」(n=513)と質問したところ、「かなり効率化する」が13.3%、「やや効率化する」が25.1%という回答となりました。
8.「適格請求書発行事業者」の登録申請状況、約6割が「すでに登録申請済み」と回答
「Q8.「適格請求書発行事業者」の登録申請状況を教えてください。」(n=513)と質問したところ、「すでに登録申請済み」が55.8%、「登録申請に向けて、すでに具体的に動いている」が16.2%という回答となりました。
9.免税事業者の取引先に対する課税事業者への移行の依頼、半数以上が「すでに依頼」または「まだ依頼していないが依頼する予定」
「Q9.免税事業者の取引先に課税事業者への移行を依頼しましたか。」(n=513)と質問したところ、「すでに依頼した」が31.2%、「まだ依頼していないが依頼する予定」が22.8%という回答となりました。
10.取引先が課税事業者への転換をしなかった場合、「今後の取引に影響する」のは約6割
「Q10.取引先である免税事業者が課税事業者への転換をしなかった場合、今後の取引に影響すると思いますか。」(n=513)と質問したところ、「非常に影響があると思う」が18.3%、「やや影響があると思う」が38.2%という回答となりました。
11.取引先が免税事業者のままである場合も、「1年間は取引を継続する」が15.8%で最多
「Q11.取引先が免税事業者のままであるとしても(課税事業者への変更せずとも)どれほどの期間、取引を継続する意向がありますか。」(n=513)と質問したところ、「1年間は取引を継続する」が15.8%、「2年間は取引を継続する」が10.5%という回答となりました。
■当社のエンドースメント
インボイス制度の開始目前でも、企業において請求業務の大幅な効率化が見込めるPeppolに対する認知が依然として進んでいないかつ、浸透するかわからないと認識結果から、今のところ対応しないと判断している企業が増えたのではないかとみています。一方でPeppolの導入により請求業務が効率化するという回答が4割となり、導入効果が徐々に認識されてきていることもわかりました。Peppolに対応予定であると回答した企業の導入目的・理由において1位に「請求書等の規格の違いによるミスを減らすため」が挙がったことは、請求書受領時のチェックが効率化し容易になる点を評価しての回答だと考えられます。Peppolの普及状況によっても導入効果は変わってきますので、各企業での効率化も普及状況に沿って変化していくでしょう。当社は、今後とも請求を含む取引業務の効率化に大きく寄与すべく、Peppol普及に向けた関連サービスおよび電子帳票プラットフォーム「invoiceAgent」の開発・提供に努めてまいります。
ウイングアーク1st株式会社 Business Document事業部 副事業部長 兼 BD事業戦略部 部長 新井 明
■セミナーのご案内
2023年10月からのインボイス制度開始により、請求関連業務における書類の仕分けや適格請求書発行事業者登録番号の照合といった各種の作業負担の増加が想定されています。このような業務負担を軽減し、より早く正確な処理を実現する1つの方法として、標準規格である「Peppol」に対応したデジタルインボイスの活用があります。 本セッションでは、現在Peppolを利用したデジタルインボイスの送受信を検討しているユーザー企業をお招きし、実証内容や課題、今後の期待する効果についてお話しいただきます。
「invoiceAgentユーザーに聞く!Peppol対応のデジタルインボイスの可能性」
日時:10月31日(火)15:10 ~ 15:40
会場:ザ・プリンスパークタワー東京 (「updataNOW」内セッション)
詳細:https://info.wingarc.com/public/session/view/906
登壇者:
三井住友ファイナンス&リース株式会社 ICT・事務各部担当役員補佐 執行役員 事務企画部長 小林 文子 氏
株式会社西武ホールディングス 経理部 ジェネラルマネジャー 石田 尚子 氏
ウイングアーク1st株式会社 BD事業戦略部 担当部長 清水 俊之
お申し込み先:https://info.wingarc.com/public/session/view/906
■invoiceAgentについて
請求書、支払通知書、注文書、納品書などあらゆる企業間取引文書の電子化と配信・返信を可能にし、取引に紐づく文書の一元管理や電子帳簿保存法・インボイス制度に対応する電子帳票プラットフォームです。企業間のあらゆる文書をデータ化し、クラウド上でセキュアかつ高速に流通できます。https://www.wingarc.com/product/ia/
■Peppolサービスプロバイダーとして当社が提供できるサービス
・当社サービス単独でPeppol対応が可能
ご利用中の業務システムがPeppol非対応の場合においても、当社サービス単独でPeppolフォーマットへの変換、送受信が可能です。
・Peppol送受信データの電子帳簿保存法対応も支援
配信企業および受領企業双方においてやり取りした帳票を物理削除できない状態で12年間保管が可能で、Peppolでやり取りされた文書には電子帳簿保存法の検索要件を充たすインデックスが自動で付与されます。※無償プランの場合は保管容量の上限が3GBとなります。
・Peppolから帳票変換ができ視認性向上
Peppolデータからの帳票様式への変換が可能となります。帳票変換により、視認性が高まることで人による内容確認も容易となります。また、電子帳簿保存時の要件となる見読可能性の確保(施行規則第3条第1項第4号)が確実に満たされます。
■Peppolについて
Peppol(Pan European Public Procurement Online)は、請求書(インボイス)などの電子文書をネットワーク上でやり取りするための「文書仕様」「運用ルール」「ネットワーク」のグローバルな標準仕様であり、OpenPeppol(ベルギーの国際的非営利組織)がその管理等を行っています。現在、欧州各国のみならず、オーストラリア、ニュージーランドやシンガポールなどの欧州域外の国も含め30か国以上で利用が進んでいます。日本の管理局はデジタル庁で、デジタルインボイスの標準仕様である「JP PINT」は、売り手のアクセスポイント(C2)と買い手のアクセスポイント(C3)との間でやり取りされるデジタルインボイスの標準仕様です。
デジタルインボイス推進協議会:https://www.eipa.jp/peppol
■調査概要
・調査名:インボイス制度に向けた企業間取引の電子化に関する(インボイス制度に対する)対策調査
・調査対象:100億円以上の売上の企業に所属する請求書関連業務に携わる会社員
・有効回答数:513名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
・調査期間:2023年8月25日〜同年8月30日
・調査機関:自社調査 (調査委託先:株式会社IDEATECH)
・調査方法:オンラインアンケート
・企画:ウイングアーク1st
<製品・サービスに関するお問い合わせ先>
ウイングアーク1st株式会社
〒106-0032 東京都港区六本木三丁目2番1号 六本木グランドタワー
TEL:03-5962-7300
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