チャレンジする組織・社員のストーリー WingArc1stのカルチャー

「やってみては?」という後押しが自分達を成長させてくれる

ウイングアーク1stは、2018年6月にBMXフリースタイルで活躍する中村輪夢選手と所属スポンサー契約を締結し、「Team RIM」というサポート組織を発足させた。この立ち上げに関わったテクニカルセールス部 マネージャ 渡部覚が、「Team RIM」に込めた想いを語る。

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「やりたい」という想いを受け入れてくれる、環境への変化

私はアメリカの大学でホスピタリティーマネージメントを学んだ後、会計コンサルティング会社の開発としてキャリアをスタートさせました。「コンピュータに携われたらおもしろい」との気持ちからIT企業に入り、2019年現在でエンジニアとして19年目です。

現在は、データの集計分析や企業の帳票のソフトウェアを開発し販売するウイングアーク1stで、お客様の製品やサービス導入を技術面から支援するテクニカルセールス部に所属しています。

ウイングアーク1stに入社した動機は、「お客様と直接会話し、人との関わりが深い仕事がしたい」と思うようになったから。前職の開発では、組織の中で業務を完結する職種だったのですが、社会人としての経験を重ねることで、自分が本当にやりたいことが明確になりました。大学で専攻していたホスピタリティーマネージメントの影響もあるかもしれません。

そして、ちょうどその当時ウイングアーク1stが「導入コンサルティング」を募集していたのがきっかけで応募。最終的にはサポート部門に配属となり入社をしました。  

今は社員数もグループ企業を含めて600名を超え、体制と機能が整った組織となっていますが、15年以上前は社員も少なく、ひとりが何役もの業務を担っていました。

お客様の製品に関する質問を受けメールや電話で回答するサポート業務以外にも、

・営業活動で有償サービスを提案する

・技術支援のテクニカルセールスとしてお客様先に出向く

など、あらゆることを担当して目まぐるしく対応をしていました。

その中でも忘れられない思い出があります。当時活用していたサポートサイトのシステムが頻繁にダウン(停止)するのです。その都度、システムの修正を依頼するのですが、修正してもダウンを繰り返して、ゴールが見えないシステムの改修に全員が疲弊した状態でした。

そこで、「なんとかならないか」との気持ちから情報を収集し、Salesforceの導入を中心とした改善企画書を現場のチームで役員に提出しました。2007年当時だったと思うのですが、その頃は日本でのSalesforceのユースケースが多くはなかった状況にも関わらず、企画書が即決に近い早さで承認されました。

目的と意思があり「やりたい」という想いを受け入れてくれる企業なのだな、という印象が強くなったことを覚えています。今の方が社員数は多いのですが、当時より他部門との連携や協力体制が強くなっているな、と感じます。今とは働き方が違いますが、これまでの仕事を通じた経験には感謝しています。

メンタルから人の成長を支援する、スポーツメンタルコーチの出会いと衝撃

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▲スポーツメンタルのコーチングを受ける「Team RIM」

2年前、社長の田中潤から紹介を受け「スポーツメンタルコーチ」の存在を知りました。「変化が早い社会環境の中で、部下のストレスを和らげられるだろうか?」という想いで気軽な気持ちで講習を受けに行き、次第に入れ込みました。

スポーツメンタルコーチとは「人」に対する心理的なアプローチで、本人に良質な気付きを提供するものです。実力はあるのになぜだかプレゼンや試合などの本番だと良い結果が残せない。

その状況を単純なメンタルの「強い、弱い」という漠然とした表現では釈然としない評価と気持ち。

それらに対し、メソッドを利用しながら、その「人」自身が気づき、ロジカルに把握しメンタルから成長していくことを支援するのがこのプログラムです。

自分自身の状態を「自分会議」で把握し、もっとも良い状態に持っていく、そして本番では今おかれている状態でベストを尽くすためのメソッド。それらを学びました。

自分もかつては水泳に熱中していた時代があり、結果が残せないときに精神的に追い詰められていました。けど「もしこのスポーツメンタルコーチの技術を競泳時代に習得していたら、さらにひとつ上の結果が残せたのではないか?」と思います。

またスポーツにおけるメンタルコーチでは、“アスリートの人生そのものを、選手のキャリアが終わった後まで考えていくことでデザインしていく”という考え方があります。そういった真髄にある考え方に感銘を受けました。

新しい何かを生み出すことを応援してくれる仲間

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▲BMXフリースタイルで活躍するプロスポーツ選手 中村輪夢選手

自分の仕事のベースは、「データ」の活用手法の提案です。企業のお客様が働きやすくなるために、データの活用提案や技術提供をしています。

そういった背景とスポーツメンタルコーチを学んでいたことが重なって、「スポーツメンタルコーチに『データ』の力が加わることで、もっと日本のアスリートは強くなれるし、グローバルで闘えるのではないか?」という想いが生まれました。

けれども、これは日本に限った話ではありませんが、スポーツメンタルコーチはまだまだ世の中に浸透していません。オリンピックなどに代表される強化選手や強化費用が多く配分されるスポーツは、その選手に沿ったメソッドを享受できます。しかし、多くのアスリートは、環境や費用の問題からメソッドと触れ合うこともなく、孤独に試行錯誤している実態があります。

サッカーや野球というメジャースポーツは問題ないのでしょうが、とくに商業とつながりにくいようなマイナースポーツは、選手のパフォーマンスが上がらずに苦労している人が多いのです。また自分もそのひとりだったので身にしみてわかるのですが、地方に住んでいるということも新しい取り組みに気付けないひとつの原因になります。

そういった課題意識もあって、スポーツメンタルコーチを紹介してくれた社長の田中と講習を受けていたスポーツメンタルコーチにその想いを相談しました。 すると、「自分達が得意とするデータの力でスポーツが応援できたらすてきな世界が広がるよね、挑戦してみようか」と賛同してもらえたのです。

そして、特定の条件に当てはまるアスリートを、ウイングアーク1stとして応援していこうとなりました。

・パラリンピックとオリンピックで初めて競技となりスポンサーがついてない選手

・アスリート人口が少ない競技で強化費用に制限がある競技

これら条件に基づいて選定を進めた結果、若者に人気のアーバンスポーツのひとつ、BMXの中村輪夢選手と契約が締結できました。

目的がしっかりしていることは前提ですが、事業利益に直結しない提案を、ブラッシュアップして形にしてくれる会社の応援環境は「すごいな」と思いました。

もちろん投資が必要ですので、さまざまな視点から確認が入りますが、役員を含めてスピードよく動いてくれる体制を実感しました。

新しい何かを生み出すということに対して周りが応援してくれる。またそれによって自分達も挑戦できる環境があり、恵まれているな、と感じています。

オリンピックは通過点。×データ=「Team RIM」

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▲中村輪夢選手と「Team RIM」の仲間

2018年6月、中村輪夢選手のサポートチームとして、「Team RIM」を発足しました。メンバーは社内の公募で手を挙げてくれた仲間です。

純粋に「やろうよ!」と言ってくれた人々なので、一人ひとりが自主的に動いています。今は映像、センサー、メンタル、広報の4チームに分かれ、アプリケーションをつくり、動画やセンサーのデータ情報を蓄積し分析を試みている段階です。バイタルデータやパークでの練習などのデータを取得するために試行錯誤をしていますが、データをビジュアルで可視化できるシステム化を目指しています。

データ情報を得たい目的もあり「Team RIM」で試合にも駆けつけています。最近では、2019年の4月19日〜21日の3日間「FISE WORLD SERIES HIROSHIMA 2019」BMXフリースタイル パーク(ワールドカップ)」に応援に行きました。

この大会で輪夢選手は予選3位、準決勝7位で決勝に残り、4月21日の決勝戦で日本人初となる準優勝を見事獲得しました。みんなでハグして喜びました。17歳の最年少準優勝は、世界初ですよ。

「Team RIM」の一人ひとりはチームでの活動に関われば関わるほど、輪夢選手やBMXのスポーツ選手のファンになり、応援したい気持ちと結束が強くなっています。

私たちの目標として、オリンピックはあくまで通過点です。究極的な目標は、アスリートがメンタルや環境にも左右されない人生を生き抜く応援をすることです。そういうビジョンをまじめにみんなで考えています。「事業だけではなく、こういうことに携われるのは楽しい」とメンバーは言っていて、まじめに楽しみながら活動しています。

輪夢選手だけではなく、誰もが自分の可能性をもっと広げられるようになればいいなと考えています。そのためにも日本全国もしくは世界に向けて、データの力と掛け合わせながら、さらに気軽に利用できるようなシステムづくりを形にしていきたいですし、みんなと試行錯誤しながら進んでいきたいですね。

(2019.06)