チャレンジする組織・社員のストーリー WingArc1stのカルチャー

個々の能力を明文化して共有。メンバーの個性を理解した最適なマネジメントでニューノーマルな働き方を模索する

ウイングアーク1stに新卒で入社し、営業として着実に成果を重ね評価の高い槻並直樹。現在は、関西営業部でパートナーセールスを担当する第1グループでグループマネージャーを務める。リモートワークへと働き方がシフトする中で、「メンバーの個性を大切にしたい」という想いをもって組織づくりに取り組んでいる槻並の新たなチャレンジとは?
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実績と信頼の積み重ねが、5回の社内表彰へ導く

槻並は2009年に新卒で入社、関西営業部で帳票システムやBIシステムの営業職に就き、3年前から営業グループのマネージャーを務めている。現在は、3人のメンバーを率いるマネージャー業務をこなしながら、営業職も兼務。いわゆるプレイングマネージャーだ。

槻並は、これまでに社内表彰を5回にわたり受賞している。1回目は入社3年目。未開拓エリアのパートナーを対象に、長期かつ、複数回にわたり製品研修会を積極的に開催し、パートナー活動の活性化に寄与したことが評価された。2回目は帳票系システムとBI系システムのクロスセルを推進したこと。そして3回目が、槻並にとって1番印象深いものだったという。

それは、鍵などの開発・製造を行っているメーカー、シブタニと共同でIoTの技術を駆使してトイレの利用状況を見える化するシステム開発を推進したことだ。2018年には京都の二条城、および大阪のファッションビル「ルクア大阪」で実証実験にまでこぎつけた。新たな領域開拓の推進と実現が評価されたものだ。

槻並「このシステムでは、利用状況をモニタリングする画面にBIダッシュボード『MotionBoard』を採用いただきました。今までの販売モデルと違い、金物メーカーとITメーカーが手を組みビジネス協創を進めるプロジェクトとなったため、日々とても刺激的でしたし同時にやりがいも感じました」

そして2021年、今度は帳票データ活用プラットフォーム(SPAIS)の大型受注による成果と、Excellent Managerという2部門において表彰される。製品を販売するだけではなく、ユーザー層の拡大、販売方法の変革、そして新規事業の開拓、さらにはマネージャーとして組織の成長に貢献するなど、営業職の枠を飛び越えさまざまな活動を行ってきたことから、槻並のバイタリティの高さがうかがえる。

オンラインでの1on1でメンバーとの相互理解を深める

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新体制へ移行当初は、リモートワークに突入するなど、働く環境も大きく変わった頃。組織作りには決して簡単な状況ではなかったといえるが、槻並はこう振り返る。

槻並「個々の仕事に対する想いも強く、志も高いメンバーがそろうグループを牽引するという役割で、自身がどのようにマネジメントを行うことが、グループや個人の成果を最大化できるのか、日々考え、行動してきました」

槻並はメンバーの能力を開発していく上で、一人ひとりの嗜好を正確に把握することを大事にしている。それぞれのメンバーの得意なこと、苦手なことなどを知ることをまず第一歩と考え、相互理解からスタートしてきた。

オフィスで毎日顔を合わせるような状況であれば新メンバーとのコミュニケーションも取りやすいのだが、リモートワークとなるとなかなか難しいところがある。

その中でも、槻並が大切にしてきたのがZoomによる1on1だ。ただし、その時間では業務に関する話はほとんどしないという。

槻並「週に1回、または隔週に1回の頻度で1on1を実施しています。そこでは案件やプロセス、タスクの話は極力せずに、少し先の将来で目指していることや、その上で鍛えていく必要がある能力について、また、現状の心身のバランスを確認するようにしています」

この1on1は、業務の進捗確認ではなく、メンバーのキャリアや将来を見据え、それぞれの考えに触れる相互理解のための時間。対話から次のアクションの気づきを得てもらい、ときにはプライベートなことでマネージャーとして槻並が知っておいたほうがいいことなども確認もしている。

これにより、それぞれ離れた場所で業務を行っていても、メンバーの変化を知ることで、個人個人に合わせた対話が生まれるのだ。

また、槻並が気を付けていることがあるという。それは「伝え方」だ。

槻並「まだまだ模索中ですが、言葉の選択を一つ間違ってしまうと、本来伝えたい内容と異なってしまったり、相手をネガティブな気持ちにさせてしまったりします。どのような言葉であれば、相手に伝わり、行動を変えようと思ってもらえるのか。同時に、相手が意見を受け取れるタイミングであるかどうかも気にしなければなりません。1on1で、時にはプライベートにも触れるのは、このためでもあります」

たとえば、課題点を伝える際にも、プラス面を伝えた上で、「さらにこれができるとよくなりそうですね」といった具合に、ワンクッション入れることで期待値として相手に伝える。

マネージャーとメンバーという関係性だが、それ以上に人と人としての関係性を重視している槻並らしい、細やかな心遣いが見える。

ジョブ定義書の導入でメンバーの能力開発をサポート

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もうひとつ、グループが新体制になってから新たに取り入れたものがある。それが「ジョブ定義書」だ。これは、担当する業務内容や範囲、難易度、スキルなどがまとめられたもの。たとえば、マネージャーという職種を選ぶと、マネージャー職にとって必要な技能などが一覧で表示され、それを取得するためにどのようなコンピテンシー(行動特性)が必要なのかを知ることができる。

つまり、自分の目指す職種にはどんなコンピテンシーが必要か、そして自分がどんなコンピテンシーを持っているのかを理解し、そのギャップと成長の達成度を明文化していくものだ。簡単に言えば、自分が目指すことと、自分が持っている能力を自分で評価していくものと言える。

海外の企業では採用応募時や人事評価に使われていることが多いが、日本ではあまり普及していないのが現状だが、槻並は、導入した理由をこう説明する。

槻並「個人では重要度が高いと考えるコンピテンシーが、マネージャーや会社の期待値と実は異なるケースもあります。これでは、能力開発の為に必要となるジョブの割当てができず、すれ違ってしまいます。 そこで、ジョブ定義書をベースに、各自がどのコンピテンシーを伸ばしたいと思っているのかを明文化してもらいました。1on1での刷り合わせを経て、能力開発に役立てそうなタスクを優先的にチャレンジしてもらっています」 

これによりどのような効果があったのだろうか。 

槻並「1on1で定期的にジョブ定義書をレビューする機会も設けているおかげで、メンバーのことをよく知ることができているのかなと思います。メンバーが何にやりがいを感じるのかといったことや、仕事に対する姿勢が、以前と比べてより正確に理解することができています。タスクと能力開発が明確に紐づけられるため、『なぜそのタスクを行う必要があるのか』もメンバーにとっては納得しやすいですよね」 

ジョブ定義書により、各々が自身を客観視してコンピテンシーを意識するようになってきたという。定期的に現状とゴールを確認することで、やりたいこととやるべきことが明確になったそうだ。 

その効果もあってか、社内のエンゲージメントサーベイ(自己成長、成長支援、発言・意見に対する承認といった項目をスコアリングしている定期サーベイ)の結果、槻並が率いるグループの総合評価のスコアが大きく上がったという。こういった取り組みも評価され、先に述べた5回目の表彰である「Excellent Manager of the Year」の受賞にもつながっている。 

リーダーシップと危機感の両輪でニューノーマルな働き方を開拓していきたい

同じメンバーで2年目を迎え、槻並は、「個のキャラクターを最大化し、面白いことをやりきるチーム」をビジョンに掲げる。

槻並「それぞれの強みを活かしながら、新しい取り組みに貪欲にチャレンジすること、社内外問わず良い影響を与え続けられるチームになれると信じています。メンバーの可能性を信じ、成長できたと実感してもらえるようにチームを引っ張っていけたらと思います。」 

このチームの実現に向かって、槻並個人はどんなアクションをとっていくのだろうか。 

槻並「リーダーシップを持って新たなチャレンジを推し進めることはもちろんですけど、もうひとつは危機感を持つこと。現状に満足していては何も生まれないと思います。大きく変化し続け、何事にも攻めていくことが、VUCA時代に打ち勝つ働き方だと感じています。リーダーシップと危機感を両軸に据えて、メンバーの能力開発を進めていきたいと思います」 

また、リモートワークというニューノーマルな働き方の可能性も追求していくという。

特に営業という業種は、まだまだリモートワークにおいての最適な働き方というのが見えていない状態。そのような状況で、自他ともにパフォーマンスを最大化していくために、槻並は最前線を走って行くつもりだ。

槻並「新しい営業のスタイルというものは絶対あると思いますし、新しいスタイルの先駆者こそが、新たな市場を創り上げることができると信じています。我々は、最高の顧客体験をお客様に届けます。データ活用で世界を笑顔に」

(2021.04)