改正貨物自動車運送事業法および物資の流通の効率化に関する法律対応サービスの実証成果を公開
経済産業省による令和5年補正「荷主企業における物流効率化に向けた先進的な実証事業」では、株式会社ハルテGCが業務情報の統合と分析高度化による業務改善、総労働時間の削減で成果
ウイングアーク1st株式会社
ウイングアーク1st株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員CEO:田中 潤、以下ウイングアーク)は、2024年7月から2025年1月にかけて、経済産業省の令和5年補正「荷主企業における物流効率化に向けた先進的な実証事業」(※1)を、総合物流事業を展開する株式会社ハルテGCと共同で実施した成果を公開します。本成果は、新物流二法(※2)のうち貨物自動車運送事業法への早期対応を促進するにあたり、大きく貢献すると考えています。
新物流二法対応とは、トラック運転手の不足による「2024年問題」の課題を法制化し、実効性を高めるために、物流関連の2法を改正して物流の構造改善を図ることです。製造メーカー・卸業者等の荷主、元請の物流事業者に対し、運送契約の書面化、実運送体制管理簿の作成、物流効率化等の義務あるいは努力義務が課されます。
また、政府は、2030年には輸送力が30%不足すると予測(※3)される中で、対応策の一つとして以下の目標を掲げています。
・2030年までに荷待ち・荷役時間の削減(年間125時間/人削減)
・令和10年度までに、近年40%以下の水準で推移してきた積載効率について、 日本全体のトラック輸送のうち5割の車両で 50%を目指し、全体の車両で44%への増加を実現
■株式会社ハルテGCとの実証事業概要および成果
新物流二法で義務化される運送契約の書面化(電子化)や実運送体制管理簿の作成について、物流DXプラットフォーム「IKZO Online」、運送会社向け経営分析システム「IKZO Analytics」、高精度な文字認識で帳票をデータ化する「invoiceAgent AI OCR」、AIプラットフォーム「dejiren」を活用した実証を行いました。本取り組みは、DX経営による中小運輸事業者支援と積極的な補助金活用のサポートを実施するため、一般社団法人運輸デジタルビジネス協議会と一般社団法人サスティナビリティ・DX推進協議会と連携しています。実証では受信したFAXを自動的にPDF化し、各種システムと連携させることで、最終的にCSVデータとしてIKZO Online、IKZO Analyticsに自動格納させることに成功し、利用する物流事業者側の業務効率化、業務情報の統合と分析高度化による業務改善の観点で、有意な成果が得られました。

(1)利用する物流事業者側の業務効率化
・「IKZO Online」と「IKZO Analytics」により、荷待ち・荷役時間の削減、積載効率の向上、輸送ルートの見直しなどの効率化をはかり、運送契約の書面化(電子化)および実運送事業者の名称や実際の運賃契約に基づいた実運送体制管理簿の作成など、物流の2024年問題に向けた法改正への対応に取り組む。
・IKZOドライバーアプリ(※4)の活用で、荷主・運送会社・ドライバーがオンラインでつながり一連の業務効率化を見込む。
〈成果〉
業務情報の統合と分析高度化による業務改善
実証実施前 | 電話・FAX・メールとコミュニケーション手段毎に業務情報が分散されており、情報を統合的に扱う為の手間が発生し、ミスの原因にもなっている。 また、同じ理由によりデータの分析についてもデータを統合したり加工する為の手間が発生する為、効率化や業務改善の妨げになっている。 |
実証による成果 | 一部の運行で当該運行に関わる全ての情報を統合的に扱うことに成功。荷主(元請)・協力会社間との運送契約(運行指示書・輸送依頼書)等のコミュニケーションはミスなくスムーズに実施できることが確認できた。 また、IKZO Analyticsを活用することでデータを多角的に即時分析することが可能になり、PDCAサイクルがスムーズに回転することを実感できた。 |
(2)物流施設側における業務効率化
「invoiceAgent AI OCR」を活用しFAXで届く受発注データをAI OCRで読み取り、生成AI「ChatGPT」と連携した「dejiren」が受発注データの正確性を確認、AI OCRデータの識字精度を向上することで「IKZO Online」などとシステム連携し物流業務の効率化を図る。
〈成果〉
総労働時間の削減
実証実施前 |
全体労働時間2,238時間(6名、2ヶ月)に対し、475時間の残業が発生していた。 |
実証による成果 |
全体労働時間2,238時間 →2,187時間(総労働時間削減率2.3%) |
※実証期間:2024年7月~2025年1月の7ヶ月間
ハルテGCは、今後も継続して他社製品を含めた基幹システム、既存システムとの連携やデータ自動生成に取り組んでまいります。
ウイングアークは、新物流二法への早期対応実現に向けて、運輸・物流に携わるあらゆる立場の方の課題解決を目指し、運送契約、伝票送受信、運賃請求など業務のデジタル化を支援してまいります。
本成果の公開に伴い、株式会社ハルテGC様のエンドースメントをご紹介します。
「このたびの実証実験を通じ、ウイングアーク1st社の製品を活用することで、業務情報の統合管理による運用効率化・業務改善が可能であることを確認しました。一方で、モデルの最大活用には、荷主や協力会社とのデータ連携が不可欠です。また、汎用製品の組み合わせにより、専門人材や大規模投資なしでも再現可能な点は、中小企業にとって意義が大きいと考えます。今後も、中小企業に適した実効性のある事業モデルの開発に取り組んでまいります」
株式会社ハルテGC 常務取締役 岩崎 陽治郎氏
※1 物資の流通の効率化に関する法律 及び 貨物自動車運送事業法
※2 荷主企業の物流施設の自動化・機械化に資する機器・システムの導入等に係る費用を補助することを通じ、荷主企業の省力化や物流効率化の投資効果を明らかにする実証を行うもの
※3 https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/seisakutokatsu_freight_mn1_000023.html
※4 IKZO Onlineで登録した運行指示書の運送指示や条件等の内容をドライバーがリアルタイムにスマートフォンのアプリ上で確認できるサービス
■当社が提供する法対応物流ソリューション・サービス
当社は、伝票の電子化、輸送依頼、物流現場、請求・電子帳簿保存法への対応など、各種法規に準拠したソリューション・サービスを提供しています。今後も法改正に対応したソリューション・サービスを展開してまいります。
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