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究極の目標は「問い合わせゼロ」。“MotionBoard Cloudの女神”が家庭と仕事で高パフォーマンスを維持する秘訣とは?

新型コロナウイルスの影響で、ウイングアーク1stでは本社の執務エリアを撤廃し、リモートワークへと大きく働き方が変化した。ウイングアーク1stのBIダッシュボード「MotionBoard Cloud」のカスタマーサポート担当である落合麻衣子も、2度の産休と育休を経て現在リモートワークで業務をこなしている。家庭と仕事を両立させながら、高いパフォーマンスで業務をこなす落合の働き方とは。
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産休・育休明けもカスタマーサポートを志願

落合は、カスタマーサポート部に所属し、ユーザーからの問い合わせに答えるのが主な業務だ。前職はSEで、帳票ソフトウェア「SVF」を使用していた経験が、ウイングアーク1st入社への縁となる。SVFのユーザーであったのと「サポート業務に就きたい」という思いから、特に採用募集はなかったが、お問い合わせ窓口から入社したい旨を直談判し、SVFのカスタマーサポートとして入社したという経歴がある。サポート業務への並々ならぬ意欲があるのがわかるだろう。

落合は、これまで2度の出産・育休を経験している。最初の出産の頃は、ちょうど社内の産休・育休システムが整えられていたタイミングだったという。人事担当者が産休明けの女性社員に「どうしたら働きやすい?」とヒアリングし、制度として整えられていった。そのおかげか、2021年2月現在では100%の女性社員が出産後に復帰して働いている。

育休明け直後は、サポート業務を離れたこともあったが、落合のカスタマーサポートをやりたいという熱意は衰えなかったという。

落合「カスタマーサポートは9時から17時まで業務を行わなければならないため、時短勤務では難しいということで一時的にサポート業務を離れて、FAQの作成やサポートサイトを運用する仕事を任されました。それでもやっぱり、私はどうしてもサポートがやりたいという気持ちがあったので、カスタマーサポートへの復帰を志願しました。」 

育児中や家族の介護が必要な社員にとっても、両立ができるよう状況に応じてリモートワークへシフトするなど、ウイングアーク1stでは柔軟な働き方が整えられている。こういった制度も、サポート業務への復帰の支えとなっているという。

女神が大切にしているものは“早い・うまい・やすい”

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業務時間が限られていても、9時から17時までというサポート業務の時間は短くならない。そんな状況でありながらも、落合はサポートケースの対応数およびクローズ数がほかの担当者に比べ3倍と、驚異的な対応件数を誇る。

落合「時短勤務のときは、保育園のお迎えに間に合うように業務を終わらせる必要があるので、かなりバタバタしていました。自分から志願してサポート業務に就いていたので、穴を開けていけないという気持ちで必死でしたね」

 MotionBoardのように、ユーザーが自分でダッシュボードを作るタイプの製品は、問い合わせ内容が多岐にわたる。ある程度はマニュアル化されているが、ほとんどがケースバイケースで対応する必要がある。サポート業務は、基本的にメール対応となるが、中には実際にユーザーが使用しているダッシュボードにログインして、リアルタイムで対応することもあるそうだ。

現在は複数人体制となっているが、落合1人体制だった時もある。そのため、ユーザーがカスタマーサポートに連絡すると必ず落合が担当することもあった。1人で多数のケースをこなすのは大変な上、対応にもばらつきが出てしまいそうなものだが、落合に対するユーザーからの評判はすこぶるよい。その秘訣は何なのだろうか。

落合「サポート業務において大事にしていることは、“早い、うまい、やすい”の3つです。“早い”はレスポンス。この問題を解決しないと先に進めないというユーザー様もいらっしゃるので、優先順位をつけながらリアルタイムで回答するようにしています。次の“うまい”は、クローズに結びつくような正確な回答をするように心がけていることです。“やすい”は、少しこじつけなんですけど親しみやすさということ(笑)。気軽に問い合わせしやすい雰囲気や、ユーザー様と一緒に悩んで寄り添うということを大事にしています」

この親しみやすさは、ユーザーにもきちんと伝わっているよう。ユーザーコミュニティ「nest」において、落合は “MotionBoard Cloudの女神 と呼ばれファンが多く要望を受けて落合が登壇したこともある。決まり切った受け答えだけではなく、人間味のある対応をすることが、落合が女神と呼ばれるゆえんなのだろう。

家庭と仕事の両立の中でも高くモチベーションを維持する秘訣

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家庭との両立の中で苦労も多そうだが、落合からは、終始たのしげな雰囲気が伝わってくる。どのように高くモチベーションを維持しているのだろうか。

出産前は周囲に先輩担当者がいたため、落合は教えてもらう立場だった。しかし、二度目の出産後、MotionBoard Cloudの創成期にサポート担当となり、クラウド開発メンバーのバックアップの元、クラウド製品は自分が先陣を切って覚え、周りに教えることに。

落合「MotionBoard Cloud自体がまだ若い製品で、サポート側もユーザー様もみんな初心者という感じでした。なので、とにかく自分が率先してクラウド製品を勉強してみんなに教えよう!という想いがあり、以前の教えてもらう立場とはやりがいが違いました。」

思い通りのダッシュボードが作れなかったユーザーが一人で立派なダッシュボードが作れるようになったり、MotionBoard Cloudがバージョンアップを重ねるにつれて安定して動作するようになったり、ひとつひとつのことが自分事のように嬉しい。そういう感覚でユーザーや製品を接しているカスタマーサポートなのだから、ユーザーからの信頼が厚いのもうなずける。

現在はサポート業務も完全リモートワークとなっている。通勤していた頃と比べると、仕事と家庭のバランスに変化はあったのだろうか? 

落合「自宅で仕事をするようになって、時間を有効的に使えるようになりました。仕事の合間に洗濯機をまわしたり、掃除をしたり。通勤しているときは、早起きをして夜ご飯の下ごしらえまでしていたので、それに比べるとだいぶ余裕ができましたね」

また、家事や育児に対する考え方も変わったという。

落合「家事や育児に完璧を目指さないこと。家事をすべて完璧にやろうとするとストレスになってしまうので、掃除は今日はここだけ、今日の夜ご飯はレトルトで、とういように、どれだけズボラでいられるかということが一番大切だと思います。完璧を目指すと、笑顔が消えてしまうので、完璧を目指さないで笑顔でいられる時間を作ることが大切です」 

育児と仕事を両立させているうちに、時短レシピもかなり習得したという。できるだけ工数を減らして手間をかけない。これは家事にも仕事にも通じるものがある。 

 究極の目標は「お問い合わせゼロ」

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落合は、サポートケースの対応数が多く、社内でも一目置かれる存在だ。今後、どのような目標があるのだろうか。そう尋ねると面白い答えが返ってきた。 

落合「目標にするのは、対応できる件数を増やすことではなく、お問い合わせの件数を減らさないといけないと思っています。そのためには、ユーザー様の声を開発に伝え、製品をより良くしていかなければなりません。そういうことを考えながら、今後は仕事をしていかなくてはいけないな、と最近は思います。目指すはお問い合わせ件数ゼロですね(笑)」 

現在の落合は、プレーヤーとして人の3倍サポート業務をこなしているが、今後は、リーダーとして落合のスキルやノウハウを、ほかのメンバーに伝授していくことになる。そして、落合が次に挑戦したいことは「開発もできるサポート」だ。 

サポートを行う上で、 構築された環境をより深く知ることで、対応の質を上げることができるからだ。 

落合「以前開発の部隊にいたときに、開発と共同で仕事をする機会があり刺激を受けたんです。例えば、クラウド上で動く製品が、障害が起きたときにどうやって負荷を分散させるかというようなことを、知れば知るほどおもしろいなと思ってきて。インフラ周りの勉強もしてみたいなと思っています。」 

 IT関連のツールは、開発・営業・カスタマーサクセスが三位一体となっていることが多い。MotionBoardにおいてもそれは同じ。ということは、この3つの部隊が一緒にスクラムを組んでいくことでよりよい製品開発に繋げられるはず。落合のようなユーザーに一番近い人がハブとなり、「問い合わせゼロ」という究極の目標を目指してほしい。 

(2021.03)